:疑問を持ってみること
本の世界には、言葉を書き残す作家たちが数え切れないほど存在している。
「世の中には果たして、現実にそのような人物が存在するのだろうか?」──と、いくばくかの疑問、関心が引き寄せられることもあるれば、ページをめくっていく瞬間、物語の中に、自分の生き方が詰まってる気さえもする。それは文字を追っているけれど、心はどこか遠くへ飛んでいくようでもあり、自分が本の世界に入り込んでいるような感覚にさえ陥る。まるで、物語の主人公のような気になるほどに。
本は、個人と向き合える場合もあれば、個人を忘れかける場合も生じやすい。
小説に描かれた情景、誰かがSNSに掲載する映像、写真、文章は、まるで目の前で起こっているかのように鮮明に描かれていることもあるけれど、意識、価値観の違いから、心に響く言葉も違えば、考え直したり向き合うきっかけにもなる。
このごろ、本を読んだときの感動が生まれない。どうしてだろうか?読む本のジャンルも変わったのかな?
考えてみれば、「自身の考える観点、話題の焦点の当て方」との違いを、はっきり感じ取るようになってきたからではないかな。と、そう思ったりもする。
本の良いところは、文章だけで想像するために、想像力が豊かになること。
好奇心が高まること。
実際に目に見えないために、想像力も必要だれけど、実は、いちばん注目しているところは、「話し方」なんだろうなあ、とつくづく思ったりもする。
学びには、視覚や聴覚といった感覚器官を介して得られる情報のみならず、実際に自分自身の体験を通して得られる知識や経験が、一番の気づきとなるからかもしれない。
最近になって個人的に気づいてきたことは、
電子書籍は気軽に読めるようで、読まないこと。
紙の本は、「視覚をとらえる本棚から手に取りやすく、読んでみる機会が多くなるという点も大きい」のかも。
紙の本は、ただ置いているだけでも、アートのような役割を担ってくれる。部屋が、お気に入りのモノに囲まれ、染まり、癒される要素にもなる。
“ふと思い出したときに読みたくなる本、偶然見かけて手に取り読む本──”
それらの本との出会いは、人生の良いヒントをくれたり、支えになってくれるときがあったり、予想もしない転機に繋がることもある。
そういうほんのちょっとの動きで、変化を迎えていくことにもなる。
それでも個人で考えるためのヒントとして。手に取りたくなった時、偶然目に止まって惹かれた時、などに。今後も、適度に、たのしく、たしなむ程度に、読んでいこう。そう思う日々。
最近読んだおすすめ本
「ライナー・マリア・リルケ/芸術と人生」
ライナー・マリア・リルケの人生の視点がとても新鮮で、興味深くなってしまう一冊でした。語り口がとても心地よい。