こんにちは。
「コーヒーと暮らしを愉しむ」に、たまたま訪れてくださった方、そして、このブログに訪れてくださる読者の皆様、いつも感謝申し上げます。
引き出しを夕方にしまっておいた/著ハン・ガン
偶然見かけ、すぐに読みたくなりました。
……というものの、詩調は今まであまり読みたいという気がしてこなかったので読んできませんでした。
けれど、題名と表紙に惹かれ、試し読みしてみたときのハン・ガンさんの淡々とした言葉のなかに込められた奥深く、胸にじーんと入り、染み込んでく心地よい余韻が残ってくような、凛とした文章に惹かれ、購入したくなりました。
前書きとして紹介してある、
ある
夕方遅く 私は
白い茶碗に盛ったごはんから
湯気が上るのを 見ていた
そのとき 気づいた
何かが永遠に過ぎ去ってしまったと
今も永遠に
過ぎ去っているところだと
ごはんを食べなくちゃ
私はごはんを食べた」
ハン・ガン作「ある夕方遅く 私は」
もう……ほんとに買って大正解でした。
60篇ほどの詩ですが、どれもひとつ、ひとつの言葉が短くても心深くに感じるものがあって、感慨深いです。
ふと恋しくなって思い出したときに、さらりと読んでしまうときもあれば、しばらくのあいだ書かれた文章に深深と浸る沈黙が続き、噛み締めたくなるときもあります。
私の人生読んだ本の中で、イム・ジーナさんの「モノから学びます」以来、いつも胸にしまっておきたい本として、2冊目になりました。
イム・ジーナさんの「モノから学びます」の作品は、暮らし方からあれこれ自分なりの理想を思い巡らせ、自分なりの暮らしかた、物に囲まれた幸せの在り方を見つめ直させてもらえる本です。
もう一度、自分にとっての心地良さ、好きな感覚を呼び起こしたい時に、ごく自然に手に取り、読み返してしまう本です。おすすめです。
さて、次の1冊をご紹介したいと思います。
話すように話す(말하기를 말하기)/著キム・ハナ
韓国エッセイとして、店頭に並んでる1冊としてよく見かける『女ふたり、暮らしています。』で有名な著者、キム・ハナさんの本です。
Amazonより内容紹介にも記載してありますが、
・思ったことが正確に伝わるように「話す」
・相手が気軽に話せるように「話す」
・人の心に響くように「話す」
・人を傷つけないように「話す」
・謙遜しすぎないように「話す」
本書では、韓国の人気ポッドキャスト司会者であり、敏腕コピーライターである著者が、日常の会話や講演、配信、インタビューなどあらゆる場面で人と話して見つけた、小手先のテクニックや話術とはひと味違う、「話し方の技術」について語る。
といった、「話すにまつわる」人生を考えさせてもらえる1冊です。
言葉は、素直さや優しさが出る気がします。
優しさのために使われますように、そして、私もそのように使えますように。と思えました。
言葉は、惑わすためではなく、表現し、理解し合えるように使われていくべきではないか?
物を大切に使うことは、生も大切に扱う、自分と向き合うことになると思います。
表現して伝えることに不器用だからこそ、よく考え、1度自分の中で味わってから言葉にする文章を書いて表現するということがピッタリかもしれない。この本を読んで、改めてそう思えた気がしました。
そして、最後の三冊目の紹介です。
実は、内向的な人間です/著ナム・インスク
自分自身も、以前に自分とはどんな人なのか?なんて、かなり生き方にさまよっていた時、「内向的とは果たして、何なのか?」と考えた時期もありました。
「内向的だから、外交的だから」と一言でくくれないのが、個人の性格。内向的な面を持っているのを把握しつつ、自分なりの陰と陽というような内面をどんな風に日頃の生活に活かし、自分なりに生きてくのかーー。内向的とは?を感じ、考えさせられる1冊でした。自信を見つめて受け入れつつある今だからこそ、さらに読んでみてよかったな、と思える作品でした。